- 配分は3〜4型のモデルから選び、半年ごとに見直します
- 1RM換算はEpleyとBrzyckiを併記し中央値で運用します
- 容量→強度→ピークの三段階で16週を組みます
- 弱点は局面×筋群で割り出して最小の補助で崩します
- 栄養・睡眠・水分を計画へ同期し、更新日に合わせます
big3で400kgを現実にする|注意点
まず400kgという合計が、あなたの体格とトレ歴に対してどれほどの負荷なのかを相対視で捉えます。体重当たりの倍率、フォーム再現性、週当たりの容量、競技規格への適合度を重ねて評価すれば、焦りを抑えつつ現実的な階段を描けます。数字の重みと技術の成熟を一枚の地図に重ねることが出発点です。
体重当たりで見る相対強度の目安
同じ400kgでも体重60kgでは約6.7倍、70kgでは5.7倍、80kgでは5.0倍です。倍率が高いほど腱・靭帯の適応に時間が必要で、デロード頻度や睡眠の質が成功率を左右します。逆に体重が重い人は移動距離と可動域の再現性が合計に直結します。倍率と可動域の掛け算を意識し、週単位の総挙上量を無理なく積めるゾーンを探ることが、更新日の安定につながります。
配分の起点と個体差:S・B・Dの割合を仮置きする
入口の配分は「S:36 B:28 D:36」を基準に、スクワットとデッドのバランスを保ちながら、ベンチを中期で追い上げる設計が扱いやすいです。引き優位ならD:40%まで許容、脚優位ならS:38%で組み、合計の土台を作ります。配分は固定ではなく結果の偏りで見直します。半年ごとに映像と推定1RMの推移を照らし、三者が均しく伸びる構成へ調律しましょう。
big3 400kgに必要な技術成熟の指標
スクワットは深さと骨盤コントロール、ベンチは肩甲帯の固定と軌道再現、デッドは背部剛性とバーの近接維持。いずれも「同じ合図を同じタイミングで再現できるか」が成熟の指標です。テスト週だけ良いフォームは存在しません。日常のトップセットで再現できる範囲を少しずつ広げることが、400kgの土台です。
競技規格とジム規格:どちらに寄せるかを最初に決める
競技準拠なら深さ・停止・足設置のルールに合わせて練習設計を行い、ジム規格なら安全性と再現性を最優先にして可動域を固定します。途中で規格を揺らすと記録の整合が崩れ、配分判断が迷子になります。はじめに「規格の旗」を立てておき、その旗に合わせて記録と映像を管理しましょう。
到達までの射程:現在地から逆算する
合計350kgで停滞中なら、12〜24週のレンジで400kgが狙えます。300kg層は24〜48週を目安に、フォームの再現と容量の確保を優先。仕事や学業の繁忙期は、量で土台を維持しながら強度を抑えるのが現実解です。遠回りを避ける最短路は、短期の無理ではなく習慣の安定です。
注意
配分を急激に変えると関節と腱の適応が遅れます。週次の変更は1〜2割に留め、成功体験を連結させてください。
ミニ統計(傾向感)
- 400kg付近ではデッド比率が35〜42%に収斂しやすい
- 週3→週4化で伸びるのは短期間、長期は睡眠が支配的
- 映像記録の導入でテスト日の失敗率が低下しやすい
比較ブロック
バランス配分:再現性が高い。
伸びが揃い、停滞の予兆が読みやすい。
尖り配分:短期に合計が伸びる。
弱点が濃く出るため、補助の選定が必須。
ここまでで「倍率・配分・規格・射程」を一致させました。次は、合計を見失わずに日々の判断を簡素化するため、換算式と配分の運用を整えます。big3 400kgは、積分値としての管理が鍵です。
配分比と換算式を最適化する:割合を決め、推定を管理する

日々の練習で迷わないために、最初に配分の仮説を置き、サブマックスの記録から推定1RMを安定して計算します。ここでは配分モデルの選び方と、Epley・Brzyckiを中心にした換算の運用術を整理します。割合の仮置きと推定の一貫性が判断の雑音を消します。
3つの配分モデルと使いどころ
標準型(S:36 B:28 D:36)は中庸で、半年スパンの採用に向きます。引き優位型(S:33 B:27 D:40)は背面鎖の強さを合計へ直結させ、スクワットを可動域ドリルで維持します。脚優位型(S:38 B:27 D:35)は脚力を主軸に据え、デッドは頻度で慣らします。開始時は標準型、結果が偏り出したら半年ごとに移行を検討すると管理が平易です。
換算式の二刀流:EpleyとBrzycki
5〜8回域ならEpley(重量×(1+回数/30))が馴染みます。3〜5回域やピーク前はBrzycki(重量×36/(37−回数))も併記し、両者の中央値をその日の推定とします。推定は真実ではなく意思決定の材料です。テスト日(4〜8週に一度)に実測で校正し、グラフの傾きを確認する運用が安全で速いです。
セット設計:容量・強度・速度のバランス
容量期は6〜10回×3〜5セットで筋量と耐性を作り、強度期は3〜5回×3〜5セットで神経適応を促進、ピーク期は1〜3回×2〜4セットで速度と集中を優先します。トップセットはRPE8.5を上限、バックオフはRIR2で量を稼ぎます。各相でアクセサリーは12〜15回域を中心に、弱点筋へ均等に刺激を散らすと停滞を回避できます。
手順ステップ:推定1RMの回し方
- その日の最重量セットを記録(重量・回数・RIR)
- EpleyとBrzyckiで推定を計算
- 中央値を当日の推定1RMとする
- 週末に移動平均で平滑化し傾きを確認
- 4〜8週ごとに実測で校正し誤差を修正
ミニ用語集
RIR…残レップ。1は「あと1回いける」の主観指標。
トップセット…その日の最重主セット。意思決定の基準。
バックオフ…トップ後に量を稼ぐセット群。フォーム磨きの場。
移動平均…短期のブレを慣らす平滑化の考え方。
ベンチマーク早見
- 5回域:Epley=Brzyckiの差が小さく実務向き
- 3回域:差が広がるため中央値運用が安全
- 1回域:推定は参考止まり。実測で校正する
配分の仮説と推定運用を整えたら、次はフォームの再現性を上げて「失敗の確率」を削ります。重量は品質の上にしか乗りません。
フォーム要件の上書き:高重量でも崩れない再現性を作る
400kg圏では、可動域の固定と軌道の再現が合計の行先を決めます。スクワット・ベンチ・デッドそれぞれに、痛みを避けながら重量を積むための「壊れにくい型」を持ちましょう。安全域の拡張が更新の近道です。
スクワット:深さと骨盤コントロールの両立
深さは股関節が膝より下へ入るラインで固定。下降は胸郭を開いたまま腹圧を維持し、骨盤の過剰な後傾を抑えます。ハイバーは体幹直立で膝主導、ローバーは股関節主導で重量を稼ぎやすい構造です。どちらでも「足裏全体で押す」接地を守り、ボトムの反発は意図的に小さく。動画で膝・股関節・胸のタイミングを毎週照合すると、再現性が急に安定します。
ベンチプレス:肩を守る軌道と肩甲帯の固定
肩甲骨の寄せ+下制で土台を作り、ブリッジは腰へ違和感が出ない範囲で管理します。バーは肩の真上から胸下部へ斜めに下ろし、同じ軌道で戻す。肘角は45〜75度を目安に個体差で微調整。足の踏ん張りで骨盤を固定し、臀部は浮かせない。停止の長さは競技規格に合わせ、練習中から一定にします。軌道が揺れなければ、肩は静かになり重量が素直に伸びます。
デッドリフト:近接軌道と背部剛性を両立
スタンスはコンベンショナルなら腰幅、スモウは広め。バーは土踏まず上、脛が触れる直前の距離で構える。腹圧を先に作り、脚と背で同時に床から離れる意識を持つ。軌道は常に身体に近く、膝前を離れないラインで引き切ります。グリップはオルタネイトかフックで回転を抑え、握力の破綻がフォームを壊さないようにします。
ミニチェックリスト
・下降前に呼気で腹圧を固定できたか。
・同じキュー(合図)を同じ順で言えているか。
・動画の軌道が前回と重なっているか。
・翌日に痛みではなく筋肉痛が出ているか。
・セット内で足圧とリズムが一致しているか。
よくある失敗と回避策
深さを急ぎ骨盤が丸まる→ボックスで可動域を段階化。
肩前が張って痛む→下制を優先し、グリップ幅を一段狭め再評価。
膝前で離れて止まる→バーを体へ寄せ、脛〜大腿への接触を許容。
事例引用
ボトム1秒停止と同じ合図の徹底だけで、推定1RMのブレが半減。重量据置の4週でも、テスト日は確率高く更新へ届いた。
品質の再現は、最も費用対効果の高い強化策です。可動域・軌道・腹圧・テンポの四点を固定し、重さはその上に積みましょう。
16週のピーキング設計:容量から強度へ、そして速度へ

合計を確実に引き上げるには、容量→強度→速度(ピーク)の三段階で16週を設計します。各段階へ明確な役割を割り当て、RIR/RPEで日々の疲労を吸収すれば、更新日まで静かに登れます。段階化と波の吸収が要です。
ブロック構成:4週×4の全体像
第1ブロック(W1-4)は6〜10回中心で容量を作り、アクセサリー厚め。第2ブロック(W5-8)は3〜5回中心で神経適応を促進。第3ブロック(W9-12)は2〜4回で強度を維持しながら疲労を整えます。第4ブロック(W13-16)は1〜3回域で速度と集中を最優先、W16をテストに設定します。各ブロックの最終週はボリュームを1〜3割削り、次段階への移行を滑らかにします。
週内配置:干渉を避けて集中を作る
週3なら「月:SQ重+BP中/水:BP重+SQ軽/金:DL重+BP軽」、週4なら「月:SQ重/火:BP重/木:DL重/土:SQ軽+BP中」。デッドの疲労は翌日に残りやすいので、翌日の高出力練習と衝突しないよう配置します。仕事や学業の繁忙期は強度を抑え、トップセットだけでも継続する方が長期では得です。
デロードとテスト日の流れ
W8かW12でデロードを挟み、ボリュームを半減。W15は強度維持・量軽め、W16でテスト。新しいギアやフォームは導入せず、普段通りを再現します。記録の有無に関わらず、映像と推定の差分を整理し、次の16週へ改善点を3つ以内で渡します。
- 容量(W1-4):6〜10回×3〜5セット、アクセサリー厚め
- 強度(W5-8):3〜5回×3〜5セット、神経適応を促進
- 調整(W9-12):2〜4回で疲労を管理、精度を上げる
- ピーク(W13-16):1〜3回、速度と集中を最優先
手順ステップ:テスト週の過ごし方
- W15に最終重トリプル、RPE8.5で終える
- W16前半は可動域と合図の確認のみ
- テスト当日はルーティン通りの朝食・水分
- アップは普段の比率で、セット数は1〜2減らす
- 成功体験で閉じ、次の16週へ改善点を渡す
注意
テスト週にシューズ・ベルト・グリップなど新しい用具を投入しないでください。慣らしは前ブロックで済ませ、当日は再現だけに集中します。
段階化に従うと、不調週が来ても方針は揺れません。粛々と進め、更新日の成功確率を最大化しましょう。
弱点補強の設計:局面×筋群でボトルネックを崩す
停滞は「どの局面で失速し、どの筋群が働きにくいか」を特定できれば解けます。立ち上がり・ボトム・ミッドレンジ・ロックアウトのどこで止まるのか、動画で可視化して直接的に処方しましょう。局面別の処方と筋群別の補強で、最小のメニューで最大の変化を狙います。
局面別の処方:立ち上がり・ボトム・中盤・ロック
スクワットのボトム弱さにはポーズSQやテンポ(3秒下降)、立ち上がりにはピンSQやフロントSQ。ベンチの中盤停滞にはスパソやスリングショット、長め停止で弾み依存を断ちます。デッドの床離れはデフィシット、膝上はラックプルやヒップスラストで後鎖を強化。処方は1リフトにつき2種まで、4〜8週で効果判定し1種だけ入れ替えると進捗が見えます。
押し引きバランス:肩と背中の容量を整える
ベンチの伸び悩みは背中容量の不足が原因になりやすいです。ロー系を週2で合計12〜20セット、懸垂やラットプルで肩甲帯の動作を整える。押し系のダンベルは可動域を広げる補助に位置付け、肩前への偏りを避けます。外旋筋群と下部僧帽はセット間のミニドリルで活性化し、肩の快適さを守ります。
後鎖・体幹・握力のパッケージ強化
合計を押し上げる縁の下は、臀筋群・ハムストリングス・脊柱起立筋の連携です。ルーマニアンDL、グッドモーニング、GHR、バックエクステンションを週内に分散し、腰への局所負担を避けます。握力はデッドの上限を規定するため、フックやオルタネイトの使い分け+ピンチ・ハンドグリップで底上げします。
- ボトム弱い→ポーズSQ・テンポSQ
- 立ち上がり弱い→ピンSQ・フロントSQ
- 中盤停滞→スパソ・スリングショット
- 床離れ重い→デフィシットDL
- 膝上で止まる→ラックプル・ヒップスラスト
- 背中容量不足→ロー系増量・懸垂
- 握力不安→ピンチ・ハンドグリップ
Q&AミニFAQ
Q. 補助は何種入れる?
A. 各リフト2種まで。4〜8週後に1種だけ入れ替えると効果比較が容易です。
Q. どのタイミングでやる?
A. メイン後に3〜5セット。疲労が濃い日は種目数を絞り、量で担保します。
Q. 可動域ドリルは必要?
A. 必須です。セット間の短いドリルで肩・股関節を整えるとフォームが安定します。
比較ブロック
種目固定:適応が深く、指標が読みやすい。
飽きと停滞が出たら負荷曲線を工夫。
種目ローテ:新鮮な刺激で伸びやすい。
記録管理が難しく、効果判定に時間がかかる。
補助は目的のための手段です。数ではなく適合で選び、フォームの再現を壊さない最小限で前進しましょう。
栄養・回復・スケジューリング:合計に効く生活の整え方
練習計画が正しくても、栄養と回復が同期しなければ合計は伸び切りません。体重当たりのたんぱく質、トレ前後の糖質、水分・電解質、睡眠衛生、日中の歩数。これらを計画へ同期し、生活の摩擦を減らします。忙しい人ほど、この章が伸びの差になります。
一日の配分:たんぱく・糖質・水分の基準
たんぱく質は体重×1.6〜2.2g/日を3〜5回へ均等配分。トレ前後は各0.5〜1.0g/kgの糖質を置くと集中と回復が安定します。水分は尿色で調整し、発汗が多い日は電解質を併用。カフェインはトレ前に少量、睡眠の妨げになる時間帯は避けます。食事は前日に準備し、当日の意思決定コストを減らしましょう。
睡眠とストレス管理:高出力の土台を守る
就寝前の光・温度・行動を固定し、入眠の儀式を持ちます。昼の短い散歩や軽いストレッチで交感神経の張りを解き、呼吸のテンポを整えるとセット中の集中も高まります。繁忙期は強度を抑え、量で土台を維持する運用が現実的です。回復資源は有限で、どこに配るかが合計を決めます。
忙しい人の週スケジュール:現実解を作る
週2の全身プランでも合計は伸びます。1日目はスクワット重+ベンチ中+背中、2日目はデッド重+ベンチ軽+後鎖。移動や行事で崩れそうな週はトップセットだけでも実施し、連続性を最優先にします。途切れない練習が結局いちばん強い設計です。
| 項目 | 目安 | タイミング | 補足 |
|---|---|---|---|
| たんぱく質 | 体重×1.6〜2.2g/日 | 3〜5回に分割 | トレ後は消化の軽い形も可 |
| 糖質 | トレ前後各0.5〜1.0g/kg | 前60〜90分・後60分 | 固形と液体を使い分け |
| 水分・電解質 | 発汗と尿色で調整 | 日中均等・練習中適宜 | 夏季は電解質を強化 |
| 睡眠 | 7〜9時間 | 就寝前ルーティン固定 | 光・温度・カフェイン管理 |
ミニ統計(実務の手応え)
- 前後の糖質固定で推定1RMのブレが減少
- 就寝時刻の固定で週内の疲労感が安定
- 水分量の見直しでセット間の集中が維持
ミニ用語集
ピーキング…テスト日に向け疲労を抜く段階。
トップセット…その日の最重主セット。意思決定の基準。
RIR/RPE…主観負荷の指標。強度の微調整に使う。
サブマックス…最大未満域。日常の練習の中心。
生活が整えば、練習の刺激は作品に仕上がります。更新日へ向け、栄養と睡眠を設計へ結びつけていきましょう。
まとめ
big3で400kgを現実にするには、配分比と換算の運用で日々の判断を簡素化し、16週の段階設計で静かに積み上げることが近道です。フォームは可動域・軌道・腹圧・テンポの四点を固定し、弱点は局面×筋群で絞って最小の補助で崩します。栄養・睡眠・水分は計画に同期させ、忙しい週でも「途切れない練習」を守る。数字を追い、同時に動作品質を磨く二輪駆動で、次のテスト日に自分の更新に会いに行きましょう。


