このページでは、早見表の読み方と1RMの考え方、体重別の目安、テスト日の流れ、停滞の読み替えまでを段階的に解説します。フォームの良否や疲労の度合いは個人差が大きいです。ですから、数字は「決定」ではなく「出発点」です。出発点を定めることで、次の四週間が設計できます。
- 早見表は1RM換算と相対強度の二本柱です
- 数式は複数ありますが目的に合わせて選びます
- 同じ数字でも体調と睡眠で再現性は変わります
- テスト日は怪我を避ける設計で臨みます
- 停滞は原因別に読み替えて対策します
- 記録は動画とメモをセットで残します
- 四週間で一度だけ設定を見直します
- 安全が最速、重さは結果として伸びます
big3早見表から目標重量を割り出す|スムーズに進める
まずは共通言語を整えます。1RMとは、その日に一回だけ持てる最大重量です。毎回のテストで厳密に測る必要はありません。早見表は数レップの結果から推定します。推定値はガイドです。目的は安全に練習強度を決めることです。過信も軽視も避けましょう。
1RMの意味とレップ換算の前提
1RMは瞬間風速ではありません。技術、心理、睡眠、栄養に影響されます。ですから、換算は「今日の自分が使える目安」を作る行為です。3〜8レップの結果は信頼しやすいです。2回はバラつきが大きく、9回以上はフォーム差が混じりやすいです。
推定1RMは週ごとに緩やかに追います。日々の小さな波に反応し過ぎないことが大切です。短期の上下は誤差です。長期の傾きが本質です。
代表的な換算式と使い分け
換算式は複数あります。例として、EpleyやBrzyckiなどが知られています。前者は高レップで強め、後者は低レップで厳しめに出る傾向です。競技志向でピークを意識するなら厳しめの係数も役立ちます。健康志向でボリューム管理が主なら、やや緩い係数でも良いでしょう。
大切なのは、同じ式を継続して使うことです。比較の軸がブレないからです。式を変えるときは理由と日付を記録します。
測り方の注意と安全基準
推定に使うセットは、フォームの崩れが少ない中強度で行います。RIRで1〜3を選ぶと安定します。止めを入れると再現性は上がります。呼吸は浅く止めすぎないようにします。背中のセットが抜けると胸が落ちます。安全を最優先にしましょう。
痛みが出る日はテストをやめます。数字は逃げません。身体を守る意思が、次の伸びを呼びます。
早見表の読み方と使う順序
手順は単純です。まず当日のベストセットを選びます。次にレップ数と重量を表に当てます。推定1RMが出たら、練習日の目標強度を決めます。体重比の目安と重ねて妥当性を確認します。最後にメモへ残します。
使いどころは三つです。練習前の計画、練習中の微調整、練習後の評価です。順番を崩さないと迷いが減ります。
トレーニング歴別の使い分け
初心者は誤差が大きく出ます。フォームが日で変わるからです。推定値の小さな上下は無視しましょう。中級者は傾きを追います。四週間単位で増減を見ます。上級者はピンポイントのピーキングへ活用します。
いずれの段階でも、早見表は判断ツールです。ご自身の主観メモと併用すると価値が増します。
注意:推定が高すぎる日はフォームが崩れている場合があります。動画で確認します。セット中に肩や腰へ鋭い痛みが出たら練習を中止します。
ミニ統計
- 3〜6レップからの推定は誤差が小さめです
- 止め0.5秒で再現性が上がる傾向があります
- 同じ式の継続で比較の信頼度が高まります
チェックリスト
- 当日のベストセットを一つに絞ったか
- 使用した換算式を記録に残したか
- 体重比の目安と重ねて妥当性を見たか
- 動画を二方向で撮影できたか
- 痛みの有無をメモに書いたか
各種目ごとの係数と換算ルール

big3はスクワット、ベンチプレス、デッドリフトの三種目です。関節角と可動域が異なるため、同じレップでも体感は違います。ここでは実務に使いやすい基準を整理します。目的は判断の簡素化です。絶対値ではなく、現場の意思決定を助ける枠組みとして扱います。
スクワットの計算とフォーム条件
スクワットは可動域の差が推定へ強く影響します。深さが浅いほど重さは盛れます。ですから、早見表に入れるセットは、毎回同じ深さで取りましょう。股関節が折りたためる日は推定が高く出やすいです。
足幅とつま先角は固定します。取り出しと戻しも丁寧にします。メモには深さの自覚も入れると、数字の解釈が正確になります。
ベンチプレスの換算とセット構成
ベンチはブリッジや止めの有無で推定が変わります。止めを入れると数値は少し下がりますが、再現性は上がります。肩や肘に違和感がある日は、推定に使わない選択も有効です。
セット構成は3〜5レップ帯が扱いやすいです。RIR1〜2で二セットほど取れば、推定の信頼度は十分になります。
デッドリフトの特性と安全域
デッドは握力や背面の疲労で上下しやすい種目です。ハイプル気味になると盛れます。腰背部の安全を優先します。ストラップの有無も記録しておきましょう。
推定に使うのは、背中の張りが保てたセットに限定します。床から浮かない日はテストをやめても構いません。練習は続きます。
| レップ | 推定1RM% | 目安RIR | 活用場面 | 注意 |
| 1 | 100 | 0 | ピーク確認 | 頻度は低く |
| 3 | 92〜95 | 1 | 中強度指標 | 止め有効 |
| 5 | 86〜89 | 1〜2 | 練習の柱 | フォーム重視 |
| 8 | 78〜82 | 2 | ボリューム獲得 | 疲労注意 |
| 10 | 74〜77 | 2〜3 | 筋持久寄り | フォーム維持 |
よくある失敗と回避策
深さが日で違う:スクワットは動画で最下点を確認します。同じ靴、同じラック段を使います。
止め無しで盛れる:ベンチは止め0.5秒で推定に使います。肩の前が楽になります。
握力で崩れる:デッドはストラップの有無を記録します。腰が丸まる日は軽くします。
手順ステップ
- 今日のベストセットを3〜8レップで作る
- 動画二方向と主観RIRを記録する
- 表に当てて推定1RMを得る
- 翌週の強度帯を80〜92%で決める
- 体重比と照合し妥当性を確認する
体重別・経験別の目安ライン設計
相対強度は、体重で割って考える指標です。数値の公平性が上がります。経験や性別での差もあります。ここでは実務で使えるラインを示します。目安は目安です。ラインに届かなくても、進歩していれば正解です。
体重あたりの指標で整える
ベンチは体重の×1.0が健康志向の目安になります。スクワットは×1.5、デッドは×1.8前後です。経験が長くなるほど比率は上がります。体重が増える時期は相対値が下がることもあります。
大切なのは、同じ条件で比較することです。朝か夜か、前日の睡眠、前後の種目で変わります。メモに条件を書けば、数字の意味が濃くなります。
男女差と経験年数の補正
上半身は男女差が出やすい部位です。ベンチの目安は段階的に設定します。初心者は体重×0.6、中級で×0.9、上級で×1.2を一つの線にします。スクワットとデッドは差が縮まります。
経験年数が浅いほど、フォームの影響が大きくなります。ラインに届かなくても、週単位での傾きが上向きなら良い状態です。
競技志向と健康志向の線引き
競技志向はピークの一点を狙います。健康志向は長期の平均を高めます。早見表の使い方も変わります。前者は厳しめの係数で計画し、後者は中庸で再現性を優先します。
軸が決まれば迷いが減ります。自分の今の優先を言語化しておきます。四週間ごとに読み返すと、設計がブレません。
比較
競技志向:ピークを一点で狙う。厳しめ係数。疲労管理が核心。
健康志向:平均を上げ続ける。中庸係数。痛み回避が核心。
ミニFAQ
Q. 相対値が落ちました。
A. 体重が増えた可能性があります。移動平均で傾きを見ます。焦らず四週間で判定します。
Q. どの式を選べば良いですか。
A. 中庸の式を固定して使います。変えると比較が難しくなります。理由と日付を残しましょう。
Q. ラインに届きません。
A. 現場では傾きが最重要です。進歩が続けば設計は正しいです。痛みが無いことを第一にします。
ベンチマーク早見
- ベンチ×体重=0.8〜1.2(目安)
- スクワット×体重=1.2〜1.8
- デッド×体重=1.4〜2.2
- 四週間で有意な傾きが見える
- 動画と主観メモが毎回そろう
テスト日と練習日の重量配分

同じ表でも、使いどころで価値が変わります。テスト日は誤差を減らす設計が要です。練習日は出力を育てる設計が要です。役割を分けると、数字が意味を持ちます。役割分担が迷いを消します。
週間の流れと疲労管理
大筋は単純です。プッシュとプルを分けます。下半身の重さは週の前半に置きます。睡眠が安定している曜日をテスト候補にします。仕事や学業の忙しさでも変えます。
疲労は主観で記録します。脚のだるさ、握力の粘り、肩の張りです。数値だけに頼らない姿勢が、長期の継続を支えます。
テスト日の手順とウォームアップ
手順は固定します。関節を温め、可動域を確認します。バーのみ、軽いウェイト、計画重量へと段階を進めます。各段でフォームを一つだけ確認します。深さ、止め、背中です。
テストでは1〜3レップ帯を使います。止め0.5秒で揃えます。成功だけを採用し、失敗のセットは推定に入れません。
練習日のボリュームとRIR設定
練習日は80〜89%の帯で形を磨きます。RIR1〜3で合計10〜16セットへ収めます。高レップに偏らないようにします。心拍と呼吸の落ち着きも記録します。
同じ重量で質を上げる週を挟むと、次の増量が安定します。急いで増やす必要はありません。安全が最速です。
週間の段取り
- 月:スクワット中強度、補助種目
- 火:ベンチ推定セット、背中軽め
- 水:休養または有酸素軽め
- 木:デッド技術練、補助で背面
- 金:ベンチ中強度、プッシュ補助
- 土:弱点補強、可動域と呼吸
- 日:完全休養、睡眠を優先
平日は仕事が遅くなります。テストは土曜の午前に固定しました。流れが決まり、睡眠の質が安定しました。四週間で推定1RMの傾きが上向きに変わりました。
ミニ用語集
- RIR:余力レップ。ゼロで限界に一致。
- 相対強度:体重で割った出力の比。
- ピーキング:大会へ向けた山作り。
- 移動平均:短期の波をならす計算。
- 主観疲労:体感での疲れの度合い。
停滞の読み替えと補助種目の選定
早見表は結果を見せてくれます。ですが、理由までは語りません。停滞は原因で分けて考えます。技術、筋力、疲労、痛み。分類できれば対策は具体になります。原因別対応で道が開きます。
原因別のアプローチ
技術不足なら動画で角度を直します。筋力不足なら弱点域の負荷を増やします。疲労過多ならセット数を減らします。痛みが出るなら練習計画を変えます。
四つの箱に状況を入れてみます。どの箱が最も当てはまるか。問いを立てると、行動が決まります。
弱点別補助種目の組み方
スクワットの下部で止まるならピンやボックスが有効です。中盤で失速するならテンポを変えます。ベンチは止めと足上げで軌道を磨きます。デッドはハムと背中の補助を足します。
補助は主役の質を上げるためにあります。週あたり2〜3種、各2〜4セットで十分です。
データで確認する切り替えタイミング
三週間の移動平均が横ばいなら小さく変えます。グリップ幅、足幅、テンポです。六週間で横ばいならブロックを変えます。軽い週を設け、体調を整えます。
変えるのは一つだけにします。反応を見極めやすくなります。メモと動画が判断を助けます。
補助種目の候補
- ピンベンチ:最下点の粘りを養う
- テンポスクワット:中盤の安定を作る
- ルーマニアンデッド:ヒップ主導を学ぶ
- フロントスクワット:体幹の張りを育てる
- プルオーバー:肩と胸郭の連携を高める
- ローイング各種:背中の土台を厚くする
- ディップス:押す力の余力を作る
よくある失敗と回避策
同時に多くを変える:一つずつ試します。効果判定が可能になります。
補助が主役化する:目的を毎回読み上げます。主役の質を上げることが目的です。
痛みを我慢する:設計を変更します。休む勇気が重量を伸ばします。
手順ステップ
- 停滞の原因を四分類で仮決めする
- 対策を一つだけ選び四週間続ける
- 動画とメモで変化を観察する
- 移動平均の傾きを比較する
- 必要なら次の対策へ切り替える
データの記録とグラフ化で進捗を管理
早見表は道具です。価値を最大化するのは記録の仕組みです。数字、主観、動画の三点を揃えます。視覚化で判断が速くなります。見える化が行動を促します。
シート記録とタグの付け方
シートには日付、種目、重量、レップ、RIR、止めの有無、体調、睡眠を入れます。タグは「止め有」「足台」「ストラップ」などです。検索性が上がります。
週の最後にコメントを一行で書きます。良かった点と次の一手です。短い言葉が判断の軸になります。
早見表とグラフの連携活用
推定1RMの移動平均を折れ線で出します。ボリュームは棒で重ねます。相対強度は別軸にします。週ごとの傾きが読めます。
グラフは結論を急がせてくれます。上向きなら続けます。横ばいなら一つだけ変えます。下向きなら休みます。
目標再設計と次の四週間
四週間で小さな山を作ります。三週で積み上げ、一週で軽くします。軽い週は技術を磨きます。痛みの芽を摘みます。
次の四週間は、前回の成功と失敗から設計します。数値の理由を言語化します。道が見えます。
ミニ統計
- 動画併用でフォーム修正が早まる傾向
- 移動平均で過剰反応が減る傾向
- 週報コメントで継続率が上がる傾向
ミニFAQ
Q. 記録が続きません。
A. 入力項目を減らします。最小限で十分です。週一の振り返りだけでも価値があります。
Q. グラフが読みにくいです。
A. 指標を二つまでに絞ります。推定1RMとボリュームで十分です。相対値は月一で確認します。
Q. 数字が怖くなります。
A. 傾きを見ます。一本の線ではなく帯で捉えます。良い週が続けば設計は合っています。
ミニ用語集
- 推定1RM:レップと重量から算出した最大推定。
- 移動平均:直近の平均で傾きを見る方法。
- 相対強度:体重で割った指標。比較に便利。
- 帯で捉える:数値を範囲で理解する考え方。
- 可視化:グラフや表で見える形にすること。
まとめ
big3早見表は数字を即座に示します。ですが、価値を生むのは使い方です。1RM換算はガイドとして扱います。体重比で妥当性を確かめ、動画と主観で補正します。
テスト日と練習日の役割を分けます。停滞は原因で分類します。対策は一つずつ四週間続けます。移動平均で傾きを読み、次の一手を決めます。
安全が最速です。痛みの無い設計が、最短で重量を伸ばします。今日の一手を記録に残し、次の四週間へつなげましょう。


